君に届けを読んで

実は漫画が嫌いだった。
漫画はあり得ない世界を描いていて、感動がないと思い込んでいた。

男性と女性では、考え方や物の見方が違う。
ぼくは、その違いを探究することが好きなので、資料がないかとネットで探していた。

そしてひらめいた。「そうだ。女性作家の書いた作品を読めばいい」

世間一般で女子から共感の得られる作品はなんだろう?考えた。
少女漫画はどうだろうか?女性作家だし、女子高生や女子はとてもおもしろいと読んでいる人が多いと聞いた。

はずかしながら、あまり乗り気ではなかったが、意を決して読んでみた。

君に届け 1 (マーガレットコミックス)

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君に届け 1-12巻セット(マーガレットコミックス)

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あらすじ - 君に届け

高校1年生の黒沼爽子は、見た目が暗く何もしていないのに周りから怖れられ、“貞子”というあだ名まで付けられている。
ただ、周囲のことを第一に考えすぎるため、自分のことをうまく伝えることが出来ず、“貞子”としてクラスからは浮いた存在だった。
一方、爽子のクラスメイト風早翔太は、明るく誰に対しても分け隔てなく接する男の子。
爽子に対しても皆と同じように明るくフレンドリーに接してくれるので、爽子は憧れと尊敬の念を抱いていた。風早はいつも人知れずクラスのために働いたり、本当はとても前向きな爽子に特別な感情を抱いているのだが、爽子の尊敬の眼差しにしばらくは恋愛感情を温かく見守ることを誓う。
そんな中、爽子は少しずつクラスにも打ち解けるようになり、義理人情に厚く涙もろい吉田千鶴や、沈着冷静な矢野あやねと仲良くなっていく。そんな友人たちに、爽子は初めて自分の気持ちを話せるようになり、心の中にある風早に対しての“特別な気持ち”に気付き始めるのだった。つづく・・・

高校時代の揺れ動くこころの描写や、恋心、友情など人間味あふれる描写に漫画のイメージが変わった。
ここまで人のこころの描写が描けるんだなと感心した。

ぼくのなかの過去の記憶がよみがえってくる。

「あのときの彼女が僕に取った態度は、こういうことだったのか」と思い返せたり、

「おんなのひとはこんなことを考えているんだ」と再発見できた。
女性の書いた作品は、男性の書いた作品と比べると、決定的な違いがある。
それは女性にしか分からない女性目線で書いていること。
このことが知れただけでかなり得をした気持ちになった。

今は2巻まで読み終えた。
映画やアニメ版もあるようだけど、
できたらこの原書を読んだ方が楽しめるのではないかと思う。