なぜ日本のコンテンツが勝てないのかを読んで。

非常におもしろく、興味深い記事を読んだ。

日本のコンテンツはなぜ海外で勝てないか――AKB48生みの親、秋元康氏が語る
日本の製品や人々が、なぜ海外に出ても目立たないのか?を焦点に当てている。
決して日本製品に魅力がないわけでもないのだが、なにか人々に魅力的で、訴えかけるようなパワーが感じ取れないと思っていた。
AKB48の魅力や、人選について

AKB48というグループに存在することによって、あなたは何を見せたいのか、ということです】

決して歌やダンスがとてつもなくうまいとか、かわいいとか、そういうものではないらしい。
AKB48というグループの中で、何でも試す場所だということだ。これは以外だなと思った。
かわいくて、歌とダンスと、秋元氏のタイプの女の子が選考基準だとてっきり思っていた。

【そこにあるのはリアルさなんです。】

ひたむきさや真摯さが、見ている人に感動を与えるのではないかと思う。

前田敦子というエースは本当に不器用なんです。すぐ顔に出てしまう。心にないことは言えません。だから、すごく誤解されます。やる気がないように見えることもあり、「ぶすっとしている」とバッシングを受けました。でもそれでいいんです。もちろん他のメンバーのように、いつも挨拶できる子も魅力的ですが、でも前田敦子みたいな子がいてもいいと思っています。
「秋元さん、前田敦子に注意しなくていいのか」と言われるが、まあいいと思っています。板野友美が17〜18歳のときに髪を染めてきたことがありました。周りのみんなは黒髪なのに、です。でもまあ、ああいう娘はクラスに1人いてもいいと思います。みんなが同じでなくてもいい。教育とは、全部が同じじゃなくてもいい、ということなんです。】

今までの日本は、みんなと同じ格好、態度、考え方まで型にはめてきたと思う。
ぼくも正直学校生活が大嫌いだった。何のために勉強しているのだろう?学校って何をしに行く所なんだろう?
興味もない、おもしろくもない勉強なんかしたくない。勉強なんかほとんどしなかった。
だから何が自分にとってワクワクしたりするのか分からなく、社会や学校の先生をとても恨んでいた。
本当つまらないと思った。
だからこの文を読んで、みんな同じじゃなくていいよって言葉に僕は大賛成である。

AKB48は鍋で煮込んでいるスープみたいに、すごく出汁がでています。どのタイミングでも同じAKB48は存在しない。毎日違っている。逆にK-POPのすごさは、いつも同じクオリティであることです。プロとして、それはそれで素晴らしいことです。AKB48が面白いのは「今日はしょっぱくない?」とかも含めて毎日違う味を楽しんでもらえるところ。よく「AKB48は海外に進出できるか?」と聞かれるが、たぶんすぐには成功しないと思っています。そんな簡単なものではないですから。でももし海外で成功するなら、AKB48しかいないでしょう】

きっと人の魅力は、体や雰囲気からにじみ出るものなのではないかと思う。完璧は感動を与えるけど、不器用だったり、喜怒哀楽をただよわせる人に、人は魅了されるのではないかと思う。

【納豆に例えてみましょう。納豆を国外に輸出するとき、まず「においが無理ではないか」という意見が出て、じゃあ匂いを消しましょう、ねばりも無理だろうからねばりも消しましょう。こんなふうに我々は欧米のスタイルに合わせてきました。でもそんな納豆なんて誰も食べない。AKB48は納豆なんです。歌やダンスはヘタ。でもそういう納豆をみんなが味わっている様子がYouTubeで広まって、納豆の味がわからないとだめだよね、という雰囲気になった。こういうのがウケそうとか余計なマーケティングはしないほうがいいんです。迎合してしまうだけですから。やってみなければ何もわからない。
納豆にはいろいろな粒の大きさや粘着のある豆が混ざっている。だから競争相手も戦いにくいし、真似もしにくい。たとえばAKB48に似たグループはいろいろな国にあります。ネットでいくらでも見つかります。でも完全に真似できないのは、形だけ似せて強力な個性がないからです】

納豆からにおいを消す。ネバネバの糸をを取り除く。その結果は、納豆ではなくなってしまう。まるで魂が抜けた人間と一緒である。うけそうなことや、市場調査をしなくていい。自分がいいと思ったことをやってみればいい。他人に御膳立てをしなくていい。
Appleの製品はシンプルなのに、個性が強い製品だと思う。まるで世界にたった一つしかない製品のように。
Appleも市場調査を一切しないと聞いた。自分たちがいいと思った製品をとことんディスカッションして作るのだとか。

今この文章をStarbucksで書いているが、Appleのラップトップを持っているのは僕だけである。
世にはAppleの製品をまねたものがある。ぼくも触ったことがあるが、何かが違う。それはデザインをまねても、肝心のソフトとの融合がしていない。
海外の考え方や物に影響を受けてきた日本。海外の物をマネをしても、とてつもなく魅力のある物にできない。
ぼくも時に西洋の考えや物がとても優れていると感じることがある。せっかく日本には”食と文化”が優れているところが多いのに、陰に隠れてきているように感じる。春夏秋冬の四季、シンプルで素材の味を重視した日本食。こんなにすばらしい文化を持った国はそうはない。
日本食と言えば、最近僕は【お寿司】にはまっている。小さい頃から寿司は大好物だった。故スティーブ・ジョブズも大好きだったようである。
寿司も素材を生かした日本食である。以前ロンドンに旅行に行ったときに、スーパーにお寿司が売っていた。味は想像できたが、おもしろいので購入してみた。味は予想通りすしの”す”の字もしなかった。形だけマネをしただけであった。
そこに寿司のDNAが組み込まれていたら、きっとおいしい寿司だったとここに書いていたかもしれない。

【今後のことは何もわかりません。これからは、「わからないもの」が1番いいと思います。最近、僕にとって衝撃だったのはフランスから来た公演「ジンガロ」。つまり馬のショーです。ちょっと前だと女子十二楽坊とかブルーマンにも衝撃を受けた。韓国のドローイングショーもすごかった。つまり見たことがないものが良いものなんです】

これはよく分かる。Apple製品にもおなじことが当てはまると思った。なかなか新製品の情報が入ってこない。ファンはどんな製品だろうと色々な想像をかき立てる。だから新製品発表会の時にみんながワクワクして製品の詳細を食い入るように見たり、調べたり、予約で行列に並んだりするのだと思う。